日本は波力発電に取り組むべきではないか? -1-

M.宮城
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We shouldn't start Wave Power Generation now? -1-

 

兄弟二人で深夜に大激論になった。
テーマは日本のエネルギー問題について。

話の大枠は「原発はリスクが高過ぎる。将来的には止めるべき」とそこは意見が一致。

ところが「日本人の浪費体質は直らない。どんなに今節電しようが電力が回復すれば"絶対に"すぐ元通り浪費を始める」と主張する弟。「いや、浪費の本質は便利さの追及。それだけではこの先行き詰まると皆気付いた。そう簡単には戻らないし、すぐ戻るようならそれこそ日本の将来はないよ」と私。

何とはなしにむきになり、終いはほとんど兄弟喧嘩でした(笑)。"絶対に"と付け足された言葉の辺りに、いつもと微妙に違う何か(?)を感じましたが、それについては思うところもあり、また改めることにします。

こうして楽しい議論(?)は深夜2時まで続き...。お蔭で寝ていた家族はさぞかし迷惑だったでしょう(笑)

 

さて前置きはこの辺にして、真剣に話したいのは日本のエネルギー問題です。
この先、日本は一体ぜんたいどうなっていくのでしょう?

原発事故も循環冷却が本稼働しはじめちょっぴり胸をなで下ろしたものの、仕事先の人も「なんだか落ちつかないですね」と挨拶。友人との飲み会も「収束の目処が立ってからにしようか」などとお流れに。
何となく常に頭の隅にこびりついているという意味では、日本国民が皆似たような心持ちです。

再生可能な自然エネルギー。
これもさまざま情報が飛び交い気になりますが、個人的に一つ不思議に思う事があります。
"波力発電"という自然エネルギーがあります。実用化がちっとも進まず、話題にすらならないのはなぜか?です。

日本はぐるりを海に囲まれ、その上驚異の津波エネルギーをぐうの音も出ないほど体験させられたばかり。つまり波力は間違いなく強大で、しかも風力や太陽光に比べより安定的に供給可能なエネルギー源に成り得ます。
日本は今こそその実用化に本腰を入れるべき時ではないのだろうか?
これが私の意見です。 

波力発電はメディアでも取り上げられずあまり知られていません。
しかしエネルギー分野として未開拓というわけではありません。
少し調べてみると、国内では例えば港のブイなど限られた用途ですでに実用されています。ただし発電規模は100W(ブイ1基あたり)とまだまだ小規模です。

 

一方海外ではデンマークが先行していて、「ウェーブドラゴン」という海上発電設備のプロトタイプを構築し、2003年から2年弱をかけ2万時間の稼働実績を上げています。「WaveDragon」、その名の通り海面でゆらゆらと波を受けながらその水流エネルギーを電力に変換するエネルギー・コンバータです。

ホームページを見ると、異なる環境海域での使用や規模に応じて拡張できるなど、OM提供を前提としたかなり実用向きの設計で、2009年には実験後の調整やメンテナンスも終了。現在投資元のベンチャーキャピタルを探している最中のようです。(取材に行ってこの目で実物を見てみたいものです) 

イギリスもこの分野には積極的で、OPT社(Ocean Power Technologies)という海洋エネルギー専門の技術開発会社が1994年に設立されています。また米カリフォルニアではPG&E社(天然ガスを主体とする電力供給会社)が昨年フンボルト沖で波力発電設備の実験を行いましたが、こちらはどうやら失敗に終わった様子?

実は日本でもかなり昔(第一次オイルショック以降)から研究実験は繰り返し行われてきたようです。しかし、90年代以降の温室効果ガス削減対策としての自然エネルギー利用計画には、なぜか(?)波力発電は含まれていません。

ふーむ。
もう少し詳しく見てみましょう。

長そうなので分割します>>後篇へ

 

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このページは、M.宮城2011年7月10日 09:24に書いたブログ記事です。

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